金時草・花芽分化枝の挿木〔栄養繁殖〕試験(ES31103-0101~05)
金時草(水前寺菜)は種子ができにくいという事から、
基本的に「挿し穂」による栄養繁殖によって株分けされます。
噂では「挿し葉」による繁殖や「挿し枝」による繁殖も可能であるとの事です。
ここでは「金時草の花芽分化枝」を持ちいて栄養繁殖が可能かを確かめます。
今年、初めて栽培を開始した金時草。
特に手をかけることもなく放置して栽培していたため、
ある日、とう立ちをしているのに気づきました。
初年度という事から、
収穫云々よりも「どうなるか?」に重点を置いていた事もあり、
そのまま育てて開花を待ちました。
※開花はいまいちでしたがまた追ってご紹介します。
目次
とう立ちした枝(花芽分化枝)の摘芯
花がすべて終わり、種子らしき綿毛に移行したため、
とう立ちした枝(花芽分化枝)は用が済んだため、摘芯することにしました。
通常はとう立ちを避けるか、とう立ちした枝は早々に摘芯して、
花ではなく葉に栄養がいくように対応するものと思います。
その為、通常摘芯のタイミングはもっと早いものになります。
今回は、花がすべて終了した用済みの枝での栄養繁殖を試みます。
試験体
これまで苗で購入してきた金時草を○カ月ほど育ててきました。
葉も十分に伸びてきて、とう立ちし花が咲くほどになりました。
※放置して意図的に咲かせていますが、結局完全に開花しませんでした。
花芽分化した枝の根元です。
この枝を利用します。
花が終わり、不要になったとう立ちの枝を利用します。
摘芯後の状態です。
途中で切れている枝の部分には、それぞれ花が伸びていました。
順次、中途半端に咲き綿毛にはなった為、摘み取り”種らしきもの”は保管しています。
※金時草の種子による繁殖の情報は皆無で、皆栄養繁殖を採用しています。
種子が「できない」「できにくい」などの情報があり、
筆者の畑でも”種らしきもの”はできましたが、未だ発芽する様子は全くありません。
おそらく種子がうまくできていないのだろうと思います。
来年は温度管理(開花時に十分に気温が必要?)をしてみて種子の作成に挑戦します。
テストパターン
普通、こうしたテストを行う場合には複数個の同一条件が必要と思いますが、
今回は栄養繁殖が可能か否かを確かめることと、
「実際に株分けして金時草を増やしたい」という点から始めています。
その為、結果がどのような結果になったとしても、
参考程度に見て頂けたらと思います。
まあ、サボテンを枯らす男ですから、
全ての株が枯れる可能性だってあると思いますけど、それはご愛敬。
失敗に終わっても、隠すことなくご報告はする意気込みです。
上記の摘芯後の枝を以下のように分割し、挿し穂の元に利用します。
試験パターンは以下を試行します。
試験パターン表
試験コード | 検体コード | 試験条件 |
01 | 16ES31103-0101 | 花芽分化枝・葉なし(ES1103_0101) |
02 | 16ES31103-0102 | 挿し枝・葉なし(ES1103_0102) |
03 | 16ES31103-0103 | 挿し穂・葉付(ES1103_0103) |
04 | 16ES31103-0104 | 挿し葉(ES1103_0104) |
05 | 16ES31103-0105 | 挿し穂・葉付(ES1103_0105) |
通常は、節を3つと葉を3枚程度残した穂を利用して、
挿穂を行うようですが、生命力が強い植物であるとの事なので、
悪条件で育つものかを実際に試します。
挿し穂の実施(2016/06/28)
各穂をホームセンターで販売されている一般的な、
「花・野菜の土」といったものを利用し、
移植時にそのまま植えられるジフィーポットを利用し挿し床に利用しました。
なお、16ES31103-0101のみは長さがあり高くなってしまうため、
鉢植えの形式を取っています。
発根促進剤「ルートン」などの利用は行いません。
土と水のみで発根する根性がちゃんとあるかを試します。
ES1103_0101・花芽分化枝・葉なし
花芽分化枝の最頂部の枝を節から上部で切り、
下部の一部を切りとり、残ったすべて利用します。
ES1103_0102・挿し枝・葉なし
花芽分化枝の頂部から一部切り取った枝を利用します。
ES1103_0103・挿し穂・葉付
花芽分岐枝の途中から花芽分岐していた枝の節を利用し、
節部分から芽出している葉を残して、挿し穂とします。
ES1103_0104・挿し葉
副作用ですが、途中1枚葉が取れてしまったため、
切り目を再度切り直し、挿し葉として利用します。
また最下部にあった一番大きな葉(サイズは小さい)も、
1枚切除して挿し葉に利用します。
ES1103_0105・挿し穂・葉付
とう立ちした枝の最下部の部分を利用します。
育成環境
各挿し穂・葉の鉢、ポットは東向き軒下(屋外)にて保管し、
日中の強い日差しが当たらない、半日陰環境で育成します。
土の表面が極端に乾燥しているような場合を除き、
潅水は1日1回、夕刻に行います。
※鉢植えも同様に保管。
今後、生育が進んだ、枯れたなど変化がありましたがご紹介していきます。
公開日:
最終更新日:2016/09/18