ハムシ〔キスジノミハムシ〕(白菜・キャベツ・大根・水菜・わさびリーフ・カラシナ)
家庭菜園を始め、なんとなく順調に半年ほどやってきた頃、
そろそろかなと、大根やら葉物野菜やらを植えることにしました。
それが食害との戦いの始まりでした。
ネットでもさんざん言われている「アブラナ科」野菜の食害被害です。
筆者の畑でも「キスジノミハムシ」が大発生しました。
目次
各野菜の被害状況
今年から家庭菜園を始め、大根を植え種が発芽したなという頃から、
見て見ぬふりをしてきた「食害」被害。
家庭菜園で「葉っぱが食べられるのは当たり前」とばかりに、
気にしない振りをしてきましたが、
最近、大根が1株だけ大きくなっているものの、
その他の株がほとんど生育していないように感じました。
失敗は成功のもと。
実際に被害にあって、体験しなければ調べることさえしないもんです。
大根における被害例
大根だけでなく多くの菜ものに影響があるのですが、
まずは、大根で被害状況をご紹介します。
無数の穴が大根の葉に開いています。
寄ってみると小さな穴がポツポツと開けられて、
小さな虫が葉の上にいるのが見えます。
この虫が「キスジノミハムシ」と言うわけです。
キスジノミハムシ
キスジノミハムシは体長2mmほどで背中に黄色い筋が2本。
特徴的なデザインなのでネットでも調べやすいことと思います。
1 形態
- 卵:長径0.3mm内外。
- 幼虫:頭部は褐色、胴部は淡黄から乳白色。
体節ごとに少しくびれ、全体に粗毛がある。体長4mm内外まで生長する。- 成虫:体長2mm内外の甲虫。
鞘翅は黒褐色で、中央部に黄褐色の三日月形の斑紋が1つずつ縦走する。
後脚は発達し、跳躍する。
名前を知らずに見た目だけを表現すると、
黒色で光沢がある3mmほどの体長の虫。
捕獲しようとすると、素早く飛びはねて逃げる。
背中の中央は黒い筋、左右の両側面には黄色、金色、黄土色などの線(筋)が入っている。(計2本)
線は直線的と言うよりも、体に沿って弧を描くようなライン。
葉を食害している。
食べる野菜は、キャベツ・白菜・大根・水菜・カラシナ・わさびリーフなど。
そしてどんな食害が出るのかという点では、
「アブラナ科」の野菜がターゲットになります。
ハムシ(葉虫)の中で、キスジノミハムシはアブラナ科の野菜に現れます。
成虫は葉を食害して穴だらけにし、幼虫は根を食害します。
幼虫による根の食害で最も被害を受けるのはダイコンで、食害した痕が網目状になります。
症状、ともに実害と一致しています。
忌避・殺虫手段
また対策が非常に難しく、すべてを駆除することは不可能ともいえる害虫です。
本気でやるなら土中の殺虫・殺菌をして、
ハウスのように虫の侵入を食い止めるという遮断するしかなさそうです。
自分の畑でどれだけ対策したとしても他の畑で繁殖したものが飛来してくるため、完全に防除することが難しい害虫です。
夏場は数が減るため発生が落ち着くように思えますが、土中では幼虫が根を食い荒らしていることが良くあります。夏場に植え付けする野菜の幼苗など弱った株を集中的に狙ってくるので注意しましょう。
一応薬剤による対策もあるようですが、
自然派志向的なものは効かず、
ガッツリ農薬なものを使わざるを得ないことになります。
その1:【ハムシ】:コガネムシを2回り程度小さくした体長5~8mm前後の虫はハムシと呼ばれ、コガネムシと同じ甲虫類の仲間です。
種類は多いのですが、どんな植物にも寄生するというよりは、ウリハムシはキュウリなどのウリ科植物に、サンゴジュハムシはサンゴジュに、キスジノミハムシはダイコンなどのアブラナ科の植物に寄生するというように種類によって寄生植物が異なります。
成虫の発生は年1回です。幼虫期には土の中と葉の上で過ごす種類があります。
葉を食害する場合にはオルトラン液剤などを散布します。
困った時の「オルトラン」ですね。
風邪を引いたら葛根湯みたいな、よく耳にするお薬。
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(公式)GFオルトラン液剤/住友化学園芸
もしくは「モスピラン粒剤」という粒をまくタイプもあります。
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(公式)モスピラン粒剤/住友化学園芸
しかし、どこを見てもこの虫かなり手ごわそうな印象です。
薬剤が確実に効く!といった温度で語っているところはあまりありません。
イタチごっこになる様相です。
成虫は見つけしだい手で捕まえて駆除します。
農薬(殺虫剤)を使う場合は、「モスピラン粒剤」などが有効です。浸透移行性殺虫剤で、効果の持続期間が長いため、害虫の防除薬として適しています。
この際、アブラナ科を作るのを止めるかww
各被害状況
各野菜ごとの被害状況を軽くご紹介します。
大根(アブラナ科)
先ほども例に挙げた大根です。
大根の葉は壊滅的に食べられてハチの巣状態になっています。
たくさんの群がっている虫の憎いことww
大根は葉を食べなければいいじゃないかと思うところですが、
間引きして抜いた大根は、このような傷物になっています。
キスジノミハムシは地中でふ化して、幼虫の間大根などの根を食害します。
その為、発生している場合はおそらく根もやられていると思った方が確実です。
地上で見つけた時には既に遅い状態(現在の私)ですし、
一番確実な方法が畝全体を防虫用のシートで囲ってしまう事です。
卵を産み付けられる前に防虫シートなどで侵入を防がなければならない・・と。
当然、大根の苗である「カイワレ大根」だって同じです。
水菜(アブラナ科)
そして何度やってもこの被害に負けて枯れてしまう「水菜」
最初の頃は、なーんか食べられてるなぁ・・・とは思っていました。
で、新たに暖かい時期に植えなおしたところ、このザマです。
発芽した水菜が「野菜の幼苗など弱った株を集中的に狙ってくる」の通り、
しっかり食べつくされています。
何度植えても同じ結果をたどります。
でも、一つ分かったことがこの水菜が一番食害されて、
かつ、幼苗から本葉が出始めた頃でも激しく食べられることです。
この水菜がちゃんと育つような環境が作れれば、
他のアブラナ科野菜も同じように育てられるだろうという事です。
試験用の検体としても、
発芽や生育も早く確認がとてもしやすい種類だなと感じています。
わさびリーフ(リーフわさび:アブラナ科)
わさびリーフです。
名前からしてツーンとくる刺激的な味がしそうです。
食べたことはありませんが。
それでも構わず食害してきます。
本当にアブラナハンターだなと思います。
カラシナ(からし菜:アブラナ科)
カラシナ・・・食べたことないけど、
これも刺激的な味がするはずで、ツンとくるイメージなんですが。
そこそこテイスティングはされてしまっている感じです。
白菜(アブラナ科)
白菜も葉もの野菜の代名詞。
しっかり食害受けて穴だらけになっています。
小さな穴が無数に・・・。
キャベツ(アブラナ科)
そして、こちらも典型的な被害野菜、キャベツです。
種から発芽したキャベツもしっかり穴だらけですが、頑張っています。
そしてこちらは苗から。
酷い状態だとお思いかと思いますが、
「キスジノミハムシ」の被害は細かな穴がそれ。
こちらはより大食漢の「青虫」による食害が9割です。
さて、ここまで被害を受けた野菜はすべて「アブラナ科」でした。
すぐそばに似たような葉物野菜が植わっています。
レタスです。
レタス・リーフレタス(キク科)
こちらは普通のレタスで結球する一般的なものです。
全くの無害。
キク科の野菜になったとたん、
食べないってどんなワガママなんでしょうか。
好き嫌いせず食べなさい!
リーフレタスの発芽した幼苗です。結球しないタイプです。
種からの幼苗が結構育ってきています。
これもまた無害。
レタスはお嫌い?味がしないからダメですか。。。
まだ柔らかくて食べやすいはずですけど。
真横にあったとしても、科が違うと何かが違う。
好きな栄養素の匂いがしないとか、嫌いな臭いがするとか、
忌避性があるのかもしれません。
アブラナ科の周囲をレタスで囲ったろか。無駄か。
枝豆(マメ科)
実は、ずっと同じ「キスジノミハムシ」被害だと思っていたのですが、
枝豆も微妙に被害を受けています。
レタスは食べないような奴が、
これまたマメ科の枝豆を食べるんだろうかと思っていました。
しかも、穴が少し大きく害虫が特定できずに悩みました。
葉の裏に隠れている害虫がおそらく犯人。(追ってご紹介)
どうやら「キスジノミハムシ」は、
「アブラナ科」を好んで食べるというより、
「アブラナ科」しか食べない。という感じです。
どうやら発生源らしき雑草は解明されているよう
昔の記事でリンク先はすでに確認できませんが、
以下のようなニュースがあったようです。
- 日本農業新聞2012/4/10 — 2012-04-11 (水) 13:01:08
キスジノミハムシ 夏ダイコン食害の“犯人” 発生源は外来 岐阜県農技センター(既にリンク切れ)
夏ダイコン産地で多発するこの害虫の発生源が、アブラナ科外来雑草のキレハイヌガラシであることを突き止めたとのこと。
「キレハイヌガラシ」という雑草が、
近くにないかをチェックしてみるのもいいかもしれません。
そりゃ、そうですよね。
いくら近くの畑からくると言っても、
播種前の段階ではアブラナ科野菜はないわけで、
自然界のものに住み着いているはずですからね。
で、野菜を植えるとより好みの野菜の方へ移動してくると。
春から秋まで根の不定芽から萌芽し、春に萌芽したものは夏には抽苔開花する。しかしあまり結実することはない。
地中5cmほどの所を横に伸びる横走根と、地上茎とを繋ぐ垂直根とがある。
横走根には1~5mm間隔に不定芽があり、ロータリー耕で細断されたり、ホーなどで削られたりすると盛んに萌芽し、栄養繁殖をする。
草丈4cm、横走根長15cmの株は30cm深に埋められても萌芽する。
通常の機械的方法や接触型除草剤では駆除できず、滲透移行性除草剤が必要。(引用)キレハイヌガラシ
敷地内や周辺にこの雑草がないかを継続して確認していこうと思っています。
その為にも、こうやってコツコツ雑草の同定をしているんですよね。
すげー面倒くさいし、害虫の発生源になりうるから、
同定が完了したら即破棄しないといけないんですけど。
余談
葉の上を見れば居るわ居るわの大群で、
畑の土のベースは建設・工業用の真砂土がベース。
無栄養の砂に、ホームセンターの花野菜の土、腐葉土などを混ぜて、
今年初めて作付けした環境です。
なのに、いつの間に入り込んできたのさ?
飛んできた?
別の畑から来た?
いや、可能性は否定できません。
ただ敷地周囲は高いブロック塀があり、
そんなに多くは侵入しやすくはないでしょう。
そもそも売土が原因なんじゃないの?
いや、素直に周りの畑に居たものが侵入したという考え方もできるけど、
単純に購入した、土、腐葉土に元々卵が含まれているケースもあり得る。
そうやって、せっせせっせと、
害虫の素を畑に入れてしまったのかもしれないなと。
そうやって、殺虫剤メーカーが儲かるような仕組みに仕込まれていたりするかもね。
だって、誰も立証できない。
同じ土を買ってきて成分調べればわかることではあるのだろうけど。
そこまでしても、訴えることなんてできないだろう。
屋内で外気遮断してでも検証しないと厳しい。
そこまでしても、損害賠償金額は手間以下なのが目に見えてる。
そんな風に考えると、
土、肥料、農薬などの農業資材はうまく繋がって商売になっているのかもしれない。
少し高価な「殺菌済み」の土。
なんとなく意味が分かってきた気がします。
最後に、ウチの敷地内で勝手に繁殖しないでください。
どうする?次の世代の駆逐手段。
また追ってご報告します。
公開日:
最終更新日:2016/08/31