家庭菜園から農家への記録

【収穫0】大根〔夏千楽/種〕 2016春

家庭菜園を始めてからなんとなく大根も作付したことから、
一気に菜園の忙しさが増しました。害虫による食害です。
この春に受けた食害などの影響を含めてご紹介します。

当時は何科の野菜だとか、気にすることもなかったのですが、
魔の「アブラナ科」野菜であった大根は、しっかりと虫戦へと突入していきました。

 

大根〔夏千楽/種〕 2016春

大根は根菜で露地栽培、アブラナ科の植物。
根菜はプランター栽培などが容易ではなく露地栽培であることがほとんどです。

アブラナ科の露地栽培で家庭菜園の厳しさを痛感する洗礼を受けることになりました。

 

播種(2016/04/30)

当時はサイト運営など全く考えていなかったこともあり、
あまり写真などが残っていません。

土壌は急場しのぎで用意したものに作付しました。
真砂土とバーク入り腐葉土、腐葉土を混ぜた(今思えば)高炭素環境による育成でした。

大根の播種は妻にやってもらった事もあり、
後述する種の1袋をすべて播種するという大胆な播種になりました。(130粒)

 

発芽確認(2016/05/05)

発芽までは丁度、1週間程度かかっています。

これは真砂土が雨で非常に固まりやすい素材で、
播種後に覆土したものがカチカチになってしまい、発芽が困難な環境だったためです。

夏植えの同種では、水に浸潤後の播種、バーミキュライトによる覆土にて、
浸潤から3日で発芽を確認しています。

公称発芽率85%の種子でしたが、真砂土の影響で発芽率が低下していたことと思います。

natusenraku_2016spring_st01

大根(夏千楽)発芽

 

間引き

元々、間引きと言う工程があまり好きではなく、
元気に育っているものを抜いてしまうことに抵抗がありました。

とは言え、1袋を播種していますので、
当時は非常に混み合った状況で発芽していました。

適宜、間引きを行いつつ、株間40cm程度でそのまま育成していました。

 

株の成長(2016/06/26)

播種後、生育があまり進まないまま2カ月がたった頃の、
最も生育していた株です。

というか、この株以外は全く育ちませんでした。

natusenraku_2016spring_st02

6月下旬成長した株

 

どうやら、大根と人参の相乗効果によって、
この大根だけは大きく育ったものと思われます。

あまり話題になる事はないようですが、
「大根と人参」もコンパニオンプランツとしての効果があると思われます。

 

害虫被害を認識(2016/06/27~)

6月も末頃となると、この大根の品種としては既に収穫期に入る時期です。
播種が4月末ですので、丁度この頃には収穫が可能な段階に成長していてもいいはずです。

しかし、一向に大根の葉が大きくならず、
根である大根部分もほとんど太っていませんでした。

これは何か起きている・・・そう感じたのが、収穫期であるこの頃です。

経験者であればもっと早く気付くのでしょう。
初心者でしたので、大根がどのようなペースで大きくなるのかも分からず、
異常に気付くことはできませんでした。

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01_大根葉1・キスジノミハムシ被害

 

キスジノミハムシ被害に対しての対策などは以下でご紹介しています。

 

害虫忌避・駆除の試行錯誤(育成中断)

上記では有効とされる忌避剤や殺虫剤についても触れていますが、
家庭菜園で殺虫剤や忌避剤を使ってしまっては本末転倒だと私は思います。

それに頼るくらいなら、
ちゃんと使用量を管理して使っているプロの野菜を買った方が安全だと思います。

だったら家庭菜園をやる意味ない。

小さな畑だからこそ、
商売じゃないからこそできる対策があるはずだと思ったわけです。

一応、アーリーセーフなる自然派志向農薬は利用しましたが、
そもそも、キスジノミハムシに対しての効果のない薬剤ですから、
全く効果はありませんでした。

 

鉄腕ダッシュ天然農薬の散布

害虫被害の薬剤を自分で作り、散布する方法は多く見受けられます。

酢唐酎(ストチュウ)や牛乳、鉄腕ダッシュの天然農薬など様々です。

一応「鉄腕ダッシュの天然農薬」はキスジノミハムシに対して使ってみましたが、
振りかけた直後は忌避されるものの、
数時間後に見て見ると、また葉上に戻ってきて食害しているという繰り返しでした。

特に忌避には効果がなく、水を散布したのと同じような状況でした。

 

「昭和酵素Hi-s」の葉面散布(誤使用)

今回の大根は既に破棄を決定していました。

土壌がまだ出来上がっていないから害虫が寄ってくると言う考え方もある事から、
色々準備が整っていなかったと諦めることにしました。

 

今回はもう普通では試せないような、
株を殺してしまう程のことも試すことができそうです。

そこで試みたのがこの「昭和酵素Hi-s」の使用です。

特にこの資材が必要だったわけではありませんでしたが、
田んぼの田植えの終わったシーズンに、ホームセンターで叩き売りされていた為、
実験用の資材として遊んでみようと、購入したものです。

本来「昭和酵素Hi-s」は稲などの種子発芽率の向上や、
堆肥作りなどに利用される酵素資材です。

強力な資材の為、「使用濃度と浸潤する時間は厳守」と書かれている資材です。

 

ここではこの資材を薄めた溶液で忌避効果がないだろうか?という疑問から、
直接、粉末を葉面散布するという自殺行為を試しました。
※良い子は決して真似をしないように。

 

葉面への散布は、粉状のHi-sを軍手をした手で掴みながら、
ダイコンの葉に直接振りかけていきました。

何か刺激を受けると飛び跳ねて逃げるキスジノミハムシですから、
すぐに目の前からは逃げて居なくなります。(一時的)

そして、振りかけた翌日の葉面です。

先ほどの大きく育った株の近くには散布を行いませんでしたので、
散布、無散布の違いが確認できます。

粉が触れた部分だけが、茶色に変色して(炭化?枯れた?)います。

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Hi-s葉面散布・無散布比較(翌日)

 

こうしてHi-sを直接散布したことで何か変化が現れるかと思いましたが、

この場合は「粉が触れた葉は枯れた」 という結果が出ただけでした。

翌日には、Hi-sが触れなかった部分の葉(緑部分)に、
キスジノミハムシは出現していました。

遠ざける効果も特にはないように感じました。

 

ダイコンのその後は枯れたのか?

Hi-sによって葉面が侵されたダイコンはその後、
侵された葉を枯らし、新たな葉を付けつつ再生していきました。

2016/07/10の段階です。
二週間後でこの再生状態になっています。

 

そして、1か月以上過ぎた、2016/08/02時点では、
何事もなかったかのようにしっかりと葉をつけています。

 

新しく出た葉も継続して、キスジノミハムシの食害跡が残っています。

土壌に浸透したHi-sでも特にキスジノミハムシを忌避する効果はなかったようです。

というか、昆虫などには特に害になる事はないのでしょう。

 

忌避効果がないことより、Hi-sの分解能の方が驚いた

忌避効果が無かったから、目的も達成できず、
全く発見がなかったかと言うと、実は大きな成果がありました。

私自身、一応種子の発芽率向上するかを確認するために、
Hi-sを使用、不使用で発芽率が変わるかを試していました。

ですが、今のところ目立った効果を実感する種には出会えていません。
※発芽しにくい種には有効なんだろう。

 

ですが、今回の葉を枯らすHi-sの効果は、

葉を速やかに分解してしまうこの力は、緑肥の堆肥化に使える

 

という事を物語っていると思うのです。

正しくは「1000x希釈液」などの形で利用するのですが、
燕麦などの緑肥や、刈り取った雑草などを袋に纏めておき、
Hi-s溶液と混ぜてやれば、緑肥が一気に堆肥化すると思うのです。

 

現在、Hi-sでいろいろなものを漬け込み、
分解される過程を実験はしています。

漬けこんだ翌日や1週間程度までは一気に黒く変化していくのですが、
それ以降は特に変化が進むこともない印象です。

逆に、その速効性を利用して分解すると便利な資材かもしれません。

 

キスジノミハムシを忌避する

今回、大根(アブラナ科)ではキスジノミハムシ被害を食い止めることができませんでした。

ただ、隣の人参(セリ科)が一切食害されていないことから、
セリ科の植物は、キスジノミハムシは食害しないということは分かります。

また、キスジノミハムシの食害の被害は、
その他のアブラナ科植物でも受けてきました。キャベツ、白菜(共にアブラナ科)など。

そんな白菜が植わっている隣に、レタス(キク科)が植わっていました。
このレタスも一切被害を受けていませんでした。

そう、レタスもキスジノミハムシは食害しないのです。
人参同様にキスジノミハムシが止まっていることもなかったと思います。

 

キャベツとレタスは互いの害虫を忌避し合う性質のある
コンパニオンプランツ的な要素があるようなのです。

キク科とアブラナ科の混植は結構効果があるのではないかと感じた一件でした。

どこのサイトで見かけたか覚えていませんが、
「○○はレタスの匂いが大嫌い」そんなフレーズを見た気がします。
何の昆虫だったかはわすれましたが、レタスが忌避効果を発揮する対象の昆虫もいるのです。

2016/08/31追記

ここで書かれていましたが、書籍からの引用文でした。(出典リンクはアフィリっぽいが)

ダイコンの葉を食い散らす害虫は、キク科のレタスの香りが大嫌い。
一緒に植えると虫除けになります。

(引用)ダイコンのコンパニオンプランツ – NAVER まとめ

 

そこで、今後大根を植える際にはこの効果を利用して、
キク科植物との混植を行ってキスジノミハムシ忌避を試みていこうと思っています。

  • 結球しないレタスである、リーフレタス。
  • 春菊
  • 金時草

この辺で忌避効果を検証していきます。

※レタス、リーフレタスは今回、無害ではありませんでした。
※別のアオムシ、アブラムシ等の被害は受け、食害は受けています。
※レタスとて万能ではありません。

 

また燕麦(猫草)も試してみたい忌避植物です。

  • エンバク … カボチャと混植すると、うどん粉病を抑え、害虫のウリハムシを遠ざけ、生育を助ける。キュウリのうどん粉病を抑える。キスジノミハムシを遠ざける跡地でアズキを栽培すると、落葉病の発生を抑える。

(引用)コンパニオンプランツ|素人園芸

 

今後、苗の状況が変わりましたら、またお知らせしていきます。

最後は「株のキスジノミハムシによる根食害の影響」をご紹介する予定です。

 

ナント交配 大根〔夏千楽 だいこん/種〕 品種番号 F350

この「大根〔夏千楽/種〕 」は以下を利用しています。

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種パッケージ・植え方

 

種の見た目とサイズは以下のようなものが入っています。(2016年)

natusenraku_2016summer_st02

大根種(夏千楽)

 

種の形はコロコロとして手で撒き易い種です。

 

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スケジュール(ガントチャート)

この野菜育成の日程は以下を予定しています。

 


公開日:
最終更新日:2016/09/17

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